2010年12月10日金曜日

20. 虐待と健忘症

20. 虐待と健忘症

健忘症は、高齢者に限ったことではない。

若い人もなるし、子供もなる。

虐待を受けて育ってきた子供は、その辛さに

絶えるために、記憶を消す。

新しい出来事を覚えられない前向性健忘とは

違って、虐待を受けて至る間の事を覚えていな

いのは、解離性健忘といえる。

一般的には女性に起きる事が多い健忘だが、

解離性障害(解離性ヒステリー)の類で、

虐待などのような激しい体験を受けた傷から自分を

防御するために自分をなくすという行為だ。

解離性健忘もいくつかに別れるのだが、

たとえば、虐待を受けていた小学校に時期を

全く思い出さないので、小学校の友人やどのような

小学生生活を送っていたか、まるで小学校へ

通っていたか疑問だと思えるような記憶欠落は、

全般籍健忘と言えるだろう。

もし、虐待を受けているその体験だけが思い

出せないならば、選択的健忘と言える。

激しい虐待を受けてきた人は、全くと言って

そんな時代があったかどうかも覚えていない

と言ったことが多い。

そのように全く欠落した時期を思い出したいから

催眠心理療法で呼び起きしたいと依頼されることが

あるのだが、このような場合は、記憶を取戻すことを

やめるように勧めている。

自己崩壊を回避するために選んだ手段なので

思いだすことは大変キケンだと思っているし、

思いださなくても今が幸せならば良いではないかと

私は思っている。

もし、思い出さないことが不幸へ導いているならば、

そのときは、ゆっくりと心理カウンセリングと

いくつかの心理療法を組み合わせていくのがいい。

時間がかかるが、衝撃の激しさに比例して時間を長く

かけるのがいい。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。